パラノイア境界線


「今日、何してたの?」

「あぁもうすぐライブあるからさ、スタジオ借りて練習してたんだ」

「歌うの?」

「いちようギターボーカルだからね」

「上手い?」

「ハハッ、どうだかね。頑張ってんだけどね。それより座れば?」

突っ立ったままのあたしを見て男は笑った。
あたしは促された通り彼の隣に行儀よく座った。

少し間をあけて。


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