パラノイア境界線


昴の寝顔を見ていると、なんだか頭が重くなって視界もぼやけ始めて、そしてそのまま深い眠りに落ちていった。


久しぶりに安らぎと呼べる時間の中で体を委ねることができた。

あたしはあの頃からいつも体を強張らせて自分を守ることに必死だったのだ。

誰も近寄らないように。
誰も触れないように。


今日あたしは、柔らかな繭に包まれているかのような安心感の中眠っている。

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