パラノイア境界線
「なーんだ、昴か」
「なんだとはなんだよ」
昴は不満気に口を尖らせた。拗ねる顔はまるで叱られたあとの子供だ。
「……今何時?」
眠気眼をこすり、大きな欠伸をひとつする。
「朝の9時。ごめん学校までには起こそうと思ったんだけど寝過ごした。今から行く?」
「あー……もういいや。怠いよ」
「そんなこと言わずに、ちゃんと行けよー」
「うーるーさーいー」
あたしは小さなソファーの上で寝返りをうつ。