パラノイア境界線
あたしはカーテンに手をかけて勢いよく開いた。
すると目を開けていられないくらいの光が差し込んできた。
「…まぶし……」
目を細めながら顔をあげると、優しい水色の空に浮かんだ太陽がキラキラと輝いていた。
ちぎれ雲が泳いでいる。
どこからか散歩中の犬の鳴き声まで聞こる。
あたしはなぜだか泣きそうになった。
「ユウ、できたよー」
「はーい」
うっすらと瞳に滲んだ涙を指の腹で拭って、あたしは昴の座るテーブルへむかった。