パラノイア境界線


目の前に昴がいて、おいしそうに目玉焼きを頬張っている。

窓から差し込む光が彼の髪を茶色に染めて、長い睫の影を作る。

目玉焼きをかじると、なんだか懐かしい味がした。


「うまい?」

「うまいよ」


そういえば、目玉焼きなんて久しぶりに食べるっけ。

昴は嬉しそうに笑った。


< 41 / 66 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop