パラノイア境界線


あたしは甘い時間を振り切るように、昴に背をむけ走り出した。


「待って!ユウ!今日の夜7時からライブがあるんだ!駅前の小さなライブハウス!来てほしい!待ってる!待ってるから!」


玄関の扉が閉まったとき、自分の中で何かが壊れる音が聞こえた。

粉々に砕けちる音。

バイバイ。


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