パラノイア境界線
「ごめんね」
ちいさく呟いた声は行き場所を見つけることが出来ずに、空へ昇っていく。
空虚な体。
意味もなく動く心臓。
そんなの、なんだか馬鹿らしいね。
もしかしたら、あたしの体は飛ぶためにあるのかもしれない。
だから、今こんなに体が重くつらいのかもしれない。
飛んでみようかな。
もし飛べたら、きっとこの体は形状なくして白く光り天高く昇っていくのだ。
そのとき、きっとあたしは初めてすべてから許される。