† of Holly~聖の契約
絶望したし、恨みもした。

よくも、よくも、よくも、私の姉上を殺したな。

お前達が殺したんだ。そうでなければ、姉上がこの世からいなくなるわけがない。私を放っていくはずがない。

お前達が、殺したんだ。

しかし、村の人間は口々にこう言ったのだ。

「お前の姉を誉れこそすれ、なにゆえ憐れむ必要があろうか」

つまり、死んでしまったことを誇りに思えと。

許せない。許さない、許せるはずがない。

私は村を滅ぼしてやろうと思った。

腐り淀んだ煤など、すべて祓ってやろうと。

が、それは阻止された。

誰あろう、いなくなってしまったはずの、姉上によって。

私は姉上に、攻撃されたのだ。

意識を闇に撃墜された私が目覚めたのは、濁った空気が沈殿する、暗く湿っぽい牢獄だった。

そしてこの牢獄で、私はもう何日も、心身ともに凌辱され続けている。
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