† of Holly~聖の契約
独章 肆
† 独章 肆



「貴方は鬼に協力を仰いでいらっしゃるのですね」

「ほう、よくわかったな」

先手を取り訊ねた私に、彼は闇の中で頷いた。

半ばいるとは思ったが、もう半ばはまだいないかもしれないと思っていた。

初めて、彼の先手を取った。

今日はほんにせわしかった。

男どもが去ったあとに女どもが現れ、昨日に続いて石を投げつけてきたのだ。

虚脱感に続いての、連続的な虐待。

最後に大量の水を被せられ、寒さと冷たさで気を失うことすらできなかった。

もっとも幸いそのおかげか、男どもの残した胸くその悪い白濁もある程度流すことができたが。

「この村を滅ぼさんと企てる貴方が、しかし単独ではわたくしひとりを助けることすらできず、待てとおっしゃられる。ならば、協力者を求めていらっしゃるのでしょう。東西南北に巣食う、気配の主に」

「明察だな、ごまかしはせぬよ、正答だ」

大変おかしげに、いやあるいは楽しげに、六条殿は笑った。
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