† of Holly~聖の契約
「明日だ」

と、彼の背が遠ざかる。

私は特段、その背中を呼び止めはしなかった。

「明日、俺は東へ向かう。東の鬼がことを承諾すれば、その晩にも村は滅びよう」

時はもう、動いている。

刻々と、日に照らされる影が伸びるように。

「その時が、ことの決着だ。もう一度問うぞ、妹巫女よ。俺がこの村を滅ぼさんとしていならば、どうする?」

私の答えは、当然のように、決まっていた。



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