† of Holly~聖の契約
私の口に利己の塊をねじ込んでいる男が、果てた。

口腔に、生臭いものが注ぎ込まれる。

気色の悪い、半端に食感のある、液体とは言い切れないそれ。

気管を突き抜け、鼻におぞましさがきて、咳き込む。

その間に胸を揉んでいた男が続いて、一物を口へねじり込んできた。

もう、味だの不快感だのは、感じた数秒後には麻痺するようになっている。

自己防衛だ。ひたすら不愉快で、理不尽だと思った。

もし満足な一呼吸をつけて、声が出せるのなら、私は全力で糾弾しただろう。

なぜ、こんなことになったのですか、姉上、と、最愛の肉親に。

私の股ぐらで動いていた男が絶頂を迎えたらしい。

生あたたかいものが体内へ滑り込むのを感じる。

凌辱だ。あまりにも恥辱だ。

悔しさに歯噛みして顔を赤らめる私を見て、男がえげつなく笑う。だからなお、恥辱を感じる。

こんな白濁に溺れさせられる日々など……くそ食らえです。
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