運命と約束 ~Destiny&Promise~

私の無愛想な返事にビクッと肩を上げて

恐る恐ると言った感じに

私を見つめると遠慮がちに口を開いた

「あの…気にしなくていいと思います…」

『え?』

「あんな奴の言うことなんて…気にしちゃダメですよ!」

この言葉を聞いて分かった…

誰のことを言っているのか…

早咲 紗雪のことだって…

でも

っていうことは

『あなた見てたのね?聞いてたの?立ち聞きなんて変わった趣味を持ってんだね…』

もしくは覗き見?

そんなことを思いながら
そう言うと

「そっそんな立ち聞きなんてとんでもない!」

顔を真っ赤にして必死に否定してる…

『でも…あなたの言うあんな奴って早咲紗雪さんのことでしょ?』

「はい…」

『やっぱり見てたんじゃん…全部聞いてたんだ?』

私が言った言葉に戸惑ったように口を閉ざす…

< 118 / 128 >

この作品をシェア

pagetop