ダストリコリズ

「ひどい!ひどい!お姉ちゃんは汚い!」
「ニキ、私は・・・。」
「もうやってないのは知ってる!その理由も!でも私は、全然楽しくないし、嬉しくない!もうどっかに行ってよ!!」


・・・。


恐ろしい程の、沈黙が訪れる。
誰も悪くない、筈、なのだ。多分。それなのにニキは、全てをリヤにぶつけてしまった。
「ニキ・・・。」
リヤは涙を堪え、ニキから離れ控え室から出ていってしまう。後悔も追いかけもせず、その場に泣き崩れるニキ。
姉をこれだけ責めて、自分が行った、最低の取引は棚に上げてしまったのだ。リヤを責める資格などないのに、八つ当たりをしてしまった。



姉妹の全てが、崩れた瞬間である。
< 9 / 10 >

この作品をシェア

pagetop