本当の自分
「じゃあ、この光の中に歩いていって。
 強く、行きたい、て念じながら」

言われた通りにやってみる。

―ブワッ

光にはいる時、目がくらんで
押し戻されそうになった。
なにか、力が私を包み込んで前へ行かせないようにしている。

「もっと強く念じて!!」

昴の声が飛ぶ。
・・・私の、偽っていなかった頃の自分。
無邪気にはしゃいでいたころの自分に。
―会いたい。

私を押し戻そうとしていた、力が急に弱くなった。
と思うと、私は通り抜けることができた。

光の向こうにひろがるものは。

私が通っていた、保育園、だった。
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