本当の自分
昔の私の瞳の光が。
なくなったと思った瞬間。

突如渦巻く光の粒子。
昔の私を取り巻いた。

「・・・避けろ!!」

その言葉とともに後ろへ引っ張られる。
その私の前を通り過ぎる光線。
わずかに避け遅れた髪の毛が、
ジュッという音と共に焼け落ちる。
しかし塵も残らない。

危なかった。
昴が引っ張ってくれなかったら。
私は今頃。

「危なかった。あれ、まともにくらってたら消滅してたよ」

・・・やっぱり、消えてたんだ。

「僕たちは、此処の時間軸にはいない存在だから、ああいうのも、命取りになるよ」

でも、その光線を放ったのは。
昔の、私・・・のはず。


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