本当の自分
・・・殻の外?

「殻の外っていうのは、君が殻で護っているもののこと。
 殻で、外から自分の身を護っているときの、外にあるもの」

よくわからない。
つまり、私が見えていないもの?

「うーん、そういう・・・ことかな」

昴は視線を私に向けた。射抜くような視線。

「君にとっての、殻の外は。
 君の記憶にある」

本棚にある、小学校のときのアルバム。
昴はそれをとり、私に見せた。

「この中に、君のような人は2人いるよ。
 そして、いずれ会うだろう」

本棚を元に戻した昴は、瞳を閉じて深呼吸した。
スウッと瞳を開けた昴の瞳の色は、ブルーだった。

「では、君に殻の外をご案内いたします。
 まずは、保育園に行ってみようか」

立った昴の顔は刃物のよう。そして。
ブルーの瞳の奥に小さく揺らめく炎が見えた。
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