不良お兄様とわたし
◇珀桜学園
8月20日Am:8時30分
いつもなら大遅刻で慌てるけどゆっくり職員室に向かう
そう、あっという間に5日がたち、珀桜学園2学期始業式の日だ────
私は始業式の後にあるHRで自己紹介するらしいので少し遅れて登校している
「あ、ここが職員室だ…広くて迷っちゃったよ」
コンコンとドアをノックし職員室へ入る
「失礼します。今日からこの学校に編入するや…結野宮紫音です」
そういうと眼鏡をかけた若い男の先生が席を立ってこっちへ来た────
「おはよう、結野宮さん。俺は担任の瀬戸遼(せとはるか)。よろしくね」
「よろしくお願いします」
ニコリと笑えば先生が押し黙った──────
「せ…先生?」
「……遼先生って呼んで紫音ちゃん」
「は?」
「いやぁ…紫音ちゃん可愛いなあって思ってさ」
え……ぇぇええ!?
せ…先生がそんなのでいいのぉ!?ていうか名前呼びっ……先生って生徒を名前呼びしちゃいけないんじゃないの!?(※事実です)
なんて頭の中で葛藤がある間に先生が目の前にいた
ち…近い近い!