不良お兄様とわたし
【沢井side】
結野宮がクラスの女子に連れていかれた────────
何か嫌な予感がする
お昼時間あと2、3分になっても結野宮は帰ってこない
何があったんだ────?
とりあえず、悠弥さんに連絡を入れておく。
「ねぇ、裕希様ぁ、今日放課後あいてらっしゃるぅ?よかったら一緒に遊びません?」
甘ったるい喋り方。吐き気がする───────────
「…悪いけど、用事あるから…」
と、断れば女は眉間に皺をよせた
「えぇー!残念ですぅ。じゃあ次は一緒に遊びにいきましょうねぇ。」
立ち去ろうとした女を呼び止める────────
「あ、あのさぁ」
と、呼び止めれば、女は目を輝かせた
「な、なんですかぁ?裕希様ぁ」
「結野宮、どこいったらしんねぇか?」
というと、女は目を見開いた
「さ…さぁ?知りませんわぁ」
「………そか…悪かったな。呼び止めて」
くそっ…どこにいるんだよ結野宮────────
虚しく授業開始のチャイムが教室に鳴り響いた──────
【沢井side終わり】