不良お兄様とわたし



「大丈夫か!?あの頭でっかち(坂城)に何かされたか!?」


血相をかえて走ってくるお兄ちゃん 


「だ、大丈夫だよ?沢井くんと轍くんが助けてくれたから」



「ん?…轍?」



「相変わらず、鈍い奴やなぁ、悠さんは」



お兄ちゃんが轍くんの所に振り向いた 


「…ぁあ!?轍じゃんかぁ!いつ帰ってきたんだよ?っていうか轍ってあの轍だよな?」



「あの轍ですぅ…俺以外に轍なんて名前の奴がおっかいな」


「そうだよなー、轍なんて珍しい名前の奴なんてお前以外いねぇよなー」



「…悠さん一発殴っていいか?…顔面に…俺はこの名前に誇りもっとるんや」



「すまんすまん、冗談だよ…轍、おかえり」




そう言われた轍くんは少しびっくりした後、ニッと笑って 



「…おぅ、ただいま」



< 88 / 220 >

この作品をシェア

pagetop