【短・ホラー】304号室
母親は口元を押さえて、倒れそうになる程に震える体も必死に押さえた。
信じられなかった。
あの人々を恐怖に陥れるギラギラと暗闇に光る目を
人々に晒すように
眼帯が取れていた。
"今日の夕方入ったばかりなんだぜ?
ここの店のガキが連れてきたんだってよぉ
珍しいよなぁ
赤い目だぜ…?"
母親は、右目が血まみれになって、左目だけが爛々と光っている我が子を
青ざめて見る事しか
出来なかった