FRIEND or LOVER ・・・ ?
(喉…私の声…)
茶湖はある事故で傷を負い、一時期声を失った。
医者の話だと、傷痕は残ったもの、完治しているらしい。
また、元通り声を出して話せるようになるかは判らない。
今の時点、茶湖の気持ち次第と言うことだ。
(声…私の声…
出してみたいけど、もし無理だったら…?
……コワイ………)
不安が何時も、声を出そうとする度によぎる。
嫌になる程に
フッと脚が止まった。
(あ~もう、私らしく無い!もっと明るく、明るく!!)
バチンと両頬を叩き前を見据える。
(私は…)
拳を両脇で握り締め、茶湖は歩き出した。
教室に続く階段に脚をかけた瞬間、誰かの声が聞こえてきた。
「変・身!」
いきなりで身をビクつかせた茶瑚
普段は誰も居ないはずの階段のおどりば
今みたいに寒い日なら尚更
しかし、誰か生徒が居るようだ。
ゆっくり足音を立てないように階段を上がっていく。
「…ん~何だか決まらないなぁ…キレがないのかな?」
聞いたことある声
ここの階段は柵状ではなく、壁塗りみたいにされてる。
だから、おどりばの登り側に居る相手は見えない。