【短】さよならは言わない
「聖夜君…っ…」
皆……
「あっ…いたいた!七海チャン!」
この声……
「聖夜…君?」
「はぁはぁはぁはぁ…
よかった…七海チャン…はぁ…」
―ギュッ
「…ひゃっ!せ、聖夜君?」
聖夜君は今は私に抱きついている。
どうしたらいいの?!
こんなこと始めてだからどうしたらいいかわからない!
「本当に…よかった…」
「聖夜君?私大丈夫だよ?」
…そこまで必死に探さなくても…心配しなくても大丈夫だよ?
でも…ありがとう…
「七海チャン…イルカ…見ない?」
え?イルカ?
「うん。行こ!」
私は涙を拭いて、自分なりの最高の笑顔で答えた。
その笑顔に対して、聖夜君も最高の笑顔で答えてくれた。
イルカを見ていて興奮した私は、騒ぎすぎて疲れたので、近くのベンチに聖夜君と座っていた。
そんなとき…
――♪♪♪♪
ん?誰?
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ちょっと!今どこに居んの?!
…って別に怒って無いけど(笑)
あの泰雄って人帰ったわよ?
それと、私彼氏にバッタリ会ったの!だから私も帰るね!
あ!それと!できるなら今日こくっちゃいな!
じゃぁ~ねぇ~♪
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……送信者はもちろん沙那美だった。
今日?告白?無理だよぉ!
「どうした?」
聖夜君が私の携帯を覗こうとした。
「な、何でもないよ!
あ!泰雄君?と沙那美帰ったって。」
私は慌てて携帯を閉じた。
告白とか書いてあるのに見られたらヤバイからね。
「そうなんだ。」
「うん。」