【短】さよならは言わない
「そんなに嫌?」
「え?何が?」
「俺と…カップルに見られるの…」
「え?」
滅相もない!嬉しい!嬉しいけど…
聖夜君に迷惑だと思ったから…
「私は…全然…嫌じゃないよ?むしろ…」
「むしろ?」
「むしろ…」
待て待て待てぇー!
ここで"むしろ嬉しかった"なんて言ったら告白も当然じゃん!
言えない!言えるわけがない!
「秘密///」
「チェッ…ま、いっか。
あ。食べ終わった?」
「あ、う、うん。」
ここのケーキは1個30円…。ヤッパリ小さかった。三口サイズ!
ま、それは置いておいて…
∥会計∥
えっと…確かケーキ30円…ジュース180円…だから210円用意すればいいのか。
「お二人で460円になります!」
すると、聖夜君が全部出してしまった。
「あの!お金!」
「いいよ。さっきのお詫び。それに俺の家柄は知ってるだろ?
此くらい平気だよ。」
いいのかなぁ?
「ごめんね?」
「んー。こんなときはごめんねじゃなくてさ、もっと
相応しい言葉があるじゃない?」
え?相応しい?
あ…そうだね。
「聖夜君。ありがとう!」
「どういたしまして。
じゃ、そろそろ帰ろうか?」
そっか…寂しいな…
でも…今日は大分聖夜君に近づけたよね?
それだけでも嬉しいよ…
「うん。」
∥帰り道∥
「……七海チャン…」
「ん?何?」
「実は、俺たちあの日が初めてじゃないんだよ?
会ったの。」
え?
「七海チャンは覚えてないかな?―――」