【短】さよならは言わない
「―あれは…去年の今頃かな?――――
∥電車∥
―カタンッ
―カタンッ
「だよな!アハハ!」
「そう!マジでキモいんだよな!」
「でもあの顔は傑作だよな!アハハ!」
そんなうるさい不良が静かなこの場には、あまりにも迷惑なものだった。
ったく…
「君達。静かにしてもらえないかな。うるさいよ。回りの迷惑だ。」
俺が軽く説教した。
まぁ…一般的にはウザいかもな。
案のてい…
「はぁ?!てめぇウザいんだけど!」
「調子こくな!ちょっと金持ちだからってよ!」
「でしゃばんな!」
イラついた不良が俺を殴ろうとした…が、
「ちょっと!悪いのは貴方達の方でしょ?!
逆ギレなんてカッコ悪い真似、しない方が言いと思うけど?!」
飛び出してきたのは、少し足の震えている七海チャンだった。
俺を助けてくれたらしい。
(別に助けはいらなかったけど)
「チッ…行くぞ!」
不良が帰った。ある意味スゲー…
―――これが俺達の出会い。だから、久しぶりに会ったあの日…俺は七海チャンに話しかけたんだよ?」
……そうだったんですか………
「そうなんだ…」
「七海チャン…全然変わってないから直ぐに分かったよ。」
「えぇ~~それって成長してないってことじゃん!」
「まぁ…そうなるね。」
「哀しいなぁ!」
「まぁね。」
でも…そんな前から知っててくれたんだ…
しかも覚えててくれたなんて…
嬉しいよ…聖夜君…