【短】さよならは言わない




「―あれは…去年の今頃かな?――――




∥電車∥


―カタンッ

―カタンッ


「だよな!アハハ!」

「そう!マジでキモいんだよな!」

「でもあの顔は傑作だよな!アハハ!」


そんなうるさい不良が静かなこの場には、あまりにも迷惑なものだった。

ったく…


「君達。静かにしてもらえないかな。うるさいよ。回りの迷惑だ。」


俺が軽く説教した。
まぁ…一般的にはウザいかもな。

案のてい…


「はぁ?!てめぇウザいんだけど!」


「調子こくな!ちょっと金持ちだからってよ!」


「でしゃばんな!」


イラついた不良が俺を殴ろうとした…が、


「ちょっと!悪いのは貴方達の方でしょ?!
逆ギレなんてカッコ悪い真似、しない方が言いと思うけど?!」


飛び出してきたのは、少し足の震えている七海チャンだった。
俺を助けてくれたらしい。
(別に助けはいらなかったけど)


「チッ…行くぞ!」


不良が帰った。ある意味スゲー…


―――これが俺達の出会い。だから、久しぶりに会ったあの日…俺は七海チャンに話しかけたんだよ?」



……そうだったんですか………


「そうなんだ…」


「七海チャン…全然変わってないから直ぐに分かったよ。」


「えぇ~~それって成長してないってことじゃん!」


「まぁ…そうなるね。」


「哀しいなぁ!」


「まぁね。」



でも…そんな前から知っててくれたんだ…

しかも覚えててくれたなんて…
嬉しいよ…聖夜君…










< 13 / 25 >

この作品をシェア

pagetop