【短】さよならは言わない
∥聖夜宅∥
「お帰りなさいませ。聖夜様。そしていらっしゃいませ。七海様。」
「あぁ…」
「お邪魔します。」
聖夜の家にはメイドや執事がたくさんいる。
「七海…今日はお父様に会ってもらいたいんだ…」
え?お父様に?
「…わかった。行こ?案内してよ。」
「あぁ。」
∥お父様の部屋∥
「「失礼します。」お父様。七海を連れて来ました。」
「そうか。まぁ、座りなさい。」
そこに座って居たのは凄くカッコイイおじいさん…
ってよりおじさんが居た。
「…いきなりで悪いんだが……」
お父様は深刻そうな顔をした。
―嫌な予感がする―
「聖夜には…1ヶ月後、アメリカに留学してもらうことになったんだ。」
アメリカ…?留学…?
「それって…どういう…」
意味わからない…
「つまり、君と聖夜には別れてもらうしかないんだ。
留学と言っても、8年は向こうにいるし、それ以上になるかもしれないんだよ。
そんな長い間君は彼を待てるかい?
…僕には無理だと思う。
だから、お互いに忘れて、わかれて新しい人生を送って欲しい。」