【短】さよならは言わない
「やだよ…聖夜っ!私…別れたくないよ…!
でも!聖夜の夢…将来の邪魔したくないの!聖夜…聖夜…!」
涙を流した私は、頭が混乱していた。
色々な想いが複雑に絡み合って、私は自分が分からなくなった。
私は誰から見ても、正常な状態ではなかった。
「七海…聞いてくれる?」
そんな私と対象的に、正常過ぎるほどに冷静な聖夜―。
「うん…」
「……俺は将来、お父様の跡を継がなくてはいけないんだ。」
「うん…。」
大分冷静になった私は大人しく、聖夜の話を聞いていた。
「その為には、
アメリカで本場の英語をもっと身につけて、仕事を覚えて、他の会社の社長とかと交流したり…
とにかく大変なんだ。
お父様もいっていた通り、少なくても8年掛かる…
なのに…そんな長い間、俺が七海を縛ることは出来ないんだ。――――」