【短】さよならは言わない
「……そうだな。もし…俺が運命なら…
ずっとお互いを好きでいるに違いないし…
また会えるよな。」
そう…そうだよ。聖夜…。
これからも私からのあなたへの愛はかわらないよ…
大好きだよ。聖夜…
「聖夜…ありがとう…大好きだよ…」
「あぁ。こちらこそありがとう…七海。
また会おう。絶対、いつかな。」
「うん。会おうね。」
絶対。
――まもなく、○○発、アメリカ行きの
飛行機の手続きを行います。
まだ手続きを行っていない方はお早めにお願い致します――
あ……聖夜が乗る飛行機…
「そろそろ行くな?」
「うん。バイバイ!」
「じゃあな!」
――聖夜…あなたは私に2本の薔薇を残して行ったよ…
情熱の愛を感じる赤い薔薇と
少し悲しい色をした青色の薔薇を…
見えない心、感情の薔薇を2本…――――
そして私は去り行く聖夜の大きい背中を見ていた。
段々小さくなり、
離れていくのがわかる、あなたの背中を…。
その背中を追いたくなるのを精一杯我慢した。
涙も出た。
離れれば離れるほど、聖夜が愛しい…
もう会えないかもしれない。
でもね?会えるかもしれないから、
私は絶対に
さよならは言わない
END