【短】さよならは言わない
「そう。君。やっと気付いてくれたね。」
「は、はぁ…」
やっぱり私だったんだ…
「君。名前は?」
「え?な、七海です。」
「そ。俺は聖夜。よろしく。」
「よろしく?」
「また会おうな…」
そう言って彼は次の駅で降りてしまった。
……一体…何だったんだろ……
でも…また会いたい…
今度はもっと話したい…
なんだろう…この感情…
心臓が…ドクドク激しく鳴る…
何?何これ…
∥家∥
さっきから…聖夜君のことばかり頭に浮かぶ…
私…可笑しくなっちゃったのかな?
「七海?もうご飯よ?」
そんな母親の声…ご飯…
「ごめんママ。お腹空かないや。今日はいい。」
「そう?珍しいわね?
でも、明日は食べなきゃダメよ?」
「はぁい。」
お腹より…胸がいっぱいだよ…
部屋に帰ると私は自分のベットにダイブした。
「……聖夜君…」
まだたったの1回しか会ってない。
1回しか喋ってない…
なのに…なんで…