【短】さよならは言わない
∥次の日∥電車∥
―カタンッ
―カタンッ
なんだろう…いつもと変わらないはず…
何も変わってないはず…
なのに…
何かが変わった気がする…
何で?
そんな私はいつの間にか、電車で辺りを見回していた。
まるで…誰かを探すかのように…
「聖夜君…」
え?!
気づかぬうちに聖夜君の名前を口に出していた。
もしかして…私は聖夜君を捜してるの?
―また会おう―
うん…会おうね…ううん…会いたいよ…聖夜君…
∥学校∥
「七海!どうした?」
「沙那美…実は―――」
* *
「七海!あんた!それは恋だよ!」
「え?」
恋?
「間違いない!七海はその聖夜君のことが好きなんだよ!」
「す…き…?」
私が恋…私は聖夜君が好き…
「そう!そうかぁ!やっと七海も乙女に近づいたね!」
「信じられない…私が恋?」
嘘…この感情が…好きって感情?
私の初恋…私は…18歳にしてやっと…恋をしたの?
「おめでとう!」
「あ、ありがとう?」
「これからよし!告白は…5回目に会った時!」
え??
こ、告白…
「…うん。頑張るよ。」
「よし!じゃ!ファイトだよ!」
「うん。ありがとう。」