Killing Heart
「郷炎の如く、神々しき太陽の主よ、我にチカラを与えたまえ‥紅炎(プロミネンス)」
少年が刀を一振りした瞬間、青い炎は渦を巻き阿修羅に襲い掛かった。
氷麟じゃ炎を塞げない。
私は阿修羅を見つめた。
彼にも一抹の不安を感じているだろう。
だが、
「昔から言ったろう?お前の炎は効かない」
「阿修羅!!」
阿修羅は無謀なことに紅炎に突っ込んでいく。
少年の方を見ると、何かを企んでいるかのように笑みを浮かべる。
駄目だ、やはり氷は炎に勝てない。
私は彼を呼び止めようとした。
「聖氷の妖精」
彼は紅炎の渦の中、聖氷の妖精で氷の柱を作った。
しかし、無駄のようだ。
炎は氷を高温で溶かしてゆく。
「無駄だって!燃え尽きちゃえよ、阿修羅」
「嫌‥阿修羅!!!!」
私は燃えてしまう阿修羅を見れない。
ギュッと瞳を瞑った。
「ばーか。言ったろう?効かないって」
「なっ!?」
「炎が、炎が消えていく」
紅炎は全て阿修羅の手によって消えてしまった。
少年は舌打ちをして、炎を消した阿修羅に向かって素早く次の攻撃を仕掛けた。
そしてまた、戦いを続ける。
一瞬、阿修羅が押している気がした。