Killing Heart
朱色の翼
小さな羽根を羽ばたかせて、
あの空を飛びたい。
誰よりも高く、
貴方より高く、
何もかも超えたかった。
夜は明けていた。
草兎くんが仲間に加わり、なんだか賑やかになった。
少しだけ阿修羅の本当の姿が見える気がする。
私は二人の足手まといにならないように、決心をした。
すると、
「あ、村に着いたみたいだよ」
「私、、ここ初めて来た」
「無理もないだろう、あの心配性が村に行かせねぇんだから」
「またお師匠の悪口言った!!」
なんて会話をしていると、阿修羅が先にスタスタと歩いていってしまった。
私は草兎くんと目を合わせ、彼を追い掛けた。
「阿修羅、どこ行くの?」
「鍛冶屋だ。草兎、お前も用あるだろう?」
「まぁ、、。でも郷炎は鷹史様しか触れないはず」
と、長刀を持つ二人は言い合いをしていた。
確かに、氷麟と郷炎はお師匠の印が彫られていた。
他の刀師でもお師匠の造った刀は誰も整備出来ないという噂だ。
私もあのお師匠の刀を扱える鍛冶屋があるとは、とても興味津々だ。
すると、阿修羅は足を止め小さな家に着いた。
少しだけ古くて、懐かしさを感じる。
初めてここに来た筈なのに、、