Killing Heart
私は我慢が出来ず、阿修羅に向かって怒鳴った。
何故か黙っている彼が無性に許せない。
私は釈杖を握って外に飛び出した。

「ちょ!?、、阿修羅?」

「ほっとけ。何も知らないなら、、」


「何なのよ、アイツ!!お師匠のこと馬鹿にして、、」

ぶつぶつと私は愚痴を呟きながら、よく分からない村を歩き回った。
正直、阿修羅になんかついて来なければ良かった。
チャリ、チャリ、
釈杖を引きずりながら村から少し離れた滝に着いた。

とても綺麗な場所。
なんだか心が安らぐ気がした。

「!?」

後ろの方から強力な殺気を感じた。
阿修羅でも草兎くんでもない、また別の殺気。
私は辺りを見渡したが、人影さえ見つけることが出来ない。
気のせいならいいんだけど、、

「残念でした、気のせいなんかじゃありませんよ」

「あ、、」



カチン、カチン、

「ほら、この鞠弥様がメンテナンスしてやったぜ」

「有難う、鞠弥」

俺は鞠弥から氷麟を受け取り、帯に刺した。
すると、鞠弥は辺りをキョロキョロして眉を歪めた。

「そう言えば夕露ちゃんはどこ行った?」

「それが、、」

水城の話か。
鞠弥はヤバいんじゃねーか、と言って外に飛び出した。

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