Killing Heart
釈杖を立てて、手のひらに気を溜める。
肩から流れる血は徐々に止まっていた。
良かった、役に立てて、、

「大丈夫?」

「夕姉、、有難う」

草兎くんはやはり驚いた様子で、私に礼を言って立ち上がった。
治りかけでも敵が居たら僕が仕留めるから、と草兎くんは言って郷炎を握り締めた。

私は阿修羅に目を向けた。
圧倒的に男が押している。
けど、彼は大丈夫だ。そう確信した。

「いちいちウザいんですよ、、」

だが、
男はキレたようで、暗魅を額付近に翳した。

「闇を生め、ダークネス」

「何、あれ、、」

黒い刃から生き物のように真っ黒な渦が吹き荒れた。
真っ黒な渦は阿修羅を狙って素早く動き出す。

「あぁぁぁ!!」

「阿修羅!!!!」

獲物を見つけた渦は逃がさないように支配する。
私は叫ぶことしか出来ない、足が震えて動かないんだ。
渦は阿修羅の下半身から上半身を飲み込む。

「闇に飲み込まれ、息を絶えなさい、、阿修羅」

闇が氷麟を飲み込んだ。
嫌、、阿修羅が死んじゃうよ。
居てもたってもいられなくなり、草兎くんは男にもう一度襲い掛かった。
鞠弥さんが黙って私の腕を引っ張る。
見てるだけなんて、嫌だ、、。

< 22 / 34 >

この作品をシェア

pagetop