Killing Heart
「だけど、阿修羅には聞かない方がいいよ?結構気にしてるみたいだから」
「え、どういう意味!?」
「‥秘密。夕姉はまだ知らなくていい」
と、唇に人差し指を当てて呟いた。
阿修羅は一体、何者なの?
草兎くんが隠す真実、夜月という男と関係する者。
そして、お師匠が造った刀たち。
更に私を混乱させるばかり。
私は草兎くんが鍛冶屋と違う方向に歩いていったのを止めれなかった。
ガラ、
「夕露ちゃん、どうした?」
「‥いえ、何でもないですよ」
鞠弥さんが困ったような顔をした。
私は笑みをこぼしながら鍛冶屋へ戻った。
僕は夕姉から離れて、木々の影に入っていった。
そこには変わった容姿をした、黒色で長髪の男性が腕を組んで立っていた。
「草兎、複雑な顔をしているようだね」
「夷餡(イアン)様、ご無沙汰しています」
「フフフ、相変わらずだね」
彼は夷餡といい、変わった男性。
僕は地面に跪いて頭を下げる。
すると、
夷餡は僕と同じ目線の高さまでにしゃがみこんで、にこっと笑う。
「堅くならないでいいんだよ?それと、阿修羅の監視の状態はどうなんだい?」
夷餡は僕の頭を撫でて、阿修羅について訪ねてきた。