Killing Heart
「そろそろ死んでくれ、聖氷の妖精!」
パキィン、
阿修羅は戦いに飽きたのか聖氷の妖精を放った。
あっさり夷餡は氷の柱に閉じ込められ、辺りはとても寒かった。
「うっ、ごほ‥!」
「あ、阿修羅!?」
これで阿修羅に勝ち、かと思うと、彼は口を手で支え血を吐き出した。
夷餡の攻撃は喰らっていない、あれは出会った時と同じだ。
私は慌てて阿修羅の方に走った。
「水城!?来るな!!」
ペキペキ、
「残念でした♪」
「!?」
阿修羅は私に気付き、大声で怒鳴りつけた。
そして、後ろを振り向くと氷の柱は崩れ落ち、刃が目の前に現れた。
「嫌!!離して!」
「鬼さんの弱点だよね?利用させてもらうよ」
ぐいっと刃じゃなく手が出てきて、私を引き寄せた。
夷餡は腰部分を片手で支えているだけなのに動けない。
耳そばで囁くように利用、と呟いて私は震えることしか出来なかった。
「さぁ、どうしょっか?鬼さん」
「阿修羅!私はいいから!!」
夷餡は見下すように阿修羅に告げる。
私はシャーマンだから、なんとか出来ると思った。
だけど、彼は黙ったまま。
前髪のせいで表情が見えないが、ただ分かるのは笑っていることは確かだ。