Killing Heart

パキン、

「何!?」

夷餡が放った虹輝を間近に受けたはずなのに、氷が光を包む。
やはり氷麟の影響なのだろうか。
私は一か八かで治療をやめ、氷麟に触れた。

「我ガ名ハ氷麟、主ハ阿修羅ノミ」

「‥氷麟?」

「娘ヨ、汝ノ力借リル」

そう言って氷麟からの冷気が私の周りを囲った。
段々と力が抜けていく。
しかもシャーマンとしての気(オーラ)まで。

「何年ぶりだろうか、人の姿になったのは。‥助かったぞ、娘」

「お前は‥!?」

「久しいのぉ、桜華爛漫よ。それと夷餡よ」

シャーマンを囲った冷気から水色の髪をした女が現れた。
なんて冷たい瞳をしているんだ。
俺はまずい状態だと感知し、花びらで自分を覆った。

「逃がすか!!」

キィン、

「君の相手は僕だよ」

「‥郷炎か。貴様とは争わんぞ」

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