どこか…
そして、斎藤千秋は痺れを切らしたのか、いきなり腕を引っ張って、無理やりスリッパを履かして、私の手を引いて駆け出した。

そして、屋上まで連れて来られて、私が膝に手をついてぜいぜいと肩で息をしている中、あいつは気持ちよさそうな顔をして背伸びをしていた。
なんて呑気なやつなんだろう。


斎藤千秋はまた私の手をぐいっと引っ張って、「こっち来いよ」と小さな建物の上にある給水塔に向かって歩き出した。

そして、短い梯子を登って、斎藤千秋はごろんと寝っ転がった。
私はぽけっと立ち尽くしていると、斎藤千秋が気持ちよさそうな顔で「寝っ転がれば?」なんて言うから、そんなつもり全くなかったのに一緒に寝っ転がった。
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