サモンズ

蓮の能力は世間一般で言う「魔法使い」というやつだ。呪文を唱えて不思議な事を起こすあの魔法使いだ。本人いわく、まだまだ強い魔法は使えないけど、これからトレーニングして強力な魔法を使えるようになりたいとのことだ。
「さぁ、そろそろいこうか刃。」
「あぁ、そうだな。くだらない奴に腹なんか立ててないで帰るとするか。」
二人は、まだ威張り腐っている能力者に一瞥して帰路についた。
「母さん帰ったよ。」
帰った事を母に告げ、自室にむかった。
「あら、お帰り刃。まぁ蓮君も一緒なの。いらっしゃいゆっくりしていってね～」
「はい。おじゃまします。」
蓮も丁寧に挨拶をし刃の部屋へと向かった。
「蓮も丁寧に挨拶するよなー。」
「そんな事ないよ。それに眞弓さん、綺麗だし若いし自慢のお母さんだと思うのになぁ」
そんな事を言うのである。確かに母、高坂 眞弓（こうさか まゆみ）はとても綺麗で実年齢よりも確実に若い印象を受けた。
「まぁそう言ってくれるのはうれしいけどなぁ」
と言いつつも、正直かなり自慢の母親であった。
「さぁゲームでもやろうか」
「ッドーン!!!」
その音は蓮が言葉を発したと同時に起きた。
「…!!なんだ今の音!?」
「なんかいやな予感がするよ。見に行くなら気を付けて行こう。」
二人は安全を確認しつつ、部屋を出て行った。
「母さーん。大丈夫かー!?」
姿の見えない母を探していたら、母が姿を現した。
「だいじょーぶー。刃も蓮君もきをつけてねぇ～」
母は外の様子を見に行くことを予想済みだったのかそう言うと家の中の確認をしだした。
音とともにかなりの衝撃も襲ったため、家具がかなり倒れてしまっている。
「母さん、あとで手伝うから少し待っててな。」
それだけ告げると、蓮とともに外の様子を見に行った。
そこは自分達が知らない世界だった。否知っている世界が壊れていた。
「ねぇ、こんなのってやっぱり…」
「あぁ、そうだな。あれしかねぇな。」
二人の頭には一つの答えしか無かった。
（能力者の仕業だ…）