MY FIRST LOVER!!(短編)
いっそもう、寄りかかってしまいたいくらい透くんのことが頭から離れない帰り道だった。
だって、
だってキス…したもん。
透くんのことは好きだよ?
でも友達てしてであって、今まで良い人だな〜って感じでしか見てなかったから
いきなりあんな雰囲気を教えられると、恋愛感情がなくてもドキドキしちゃったよ。
まだ誰とも付き合ったことのない私には、
透くんを選ばずになかなか掴めない孝之の心を見つめ続けていることがもったいない気がした。
もし私が孝之じゃなく透くんを好きになっていたなら、なんて
そんなことを思ってしまった。
家に着くと、家の前に孝之がいた。
『孝之…どしたの?』
孝之は手に持っている袋を私に渡す。
「ばあちゃんの畑でとれた野菜、どうぞって。」
私の家族と孝之の家族は仲良しで
おすそわけやお土産の渡し合いはしょっちゅうなのだ。
『わあ、ありがとう。』
「じゃ。」
私が袋を受け取ると孝之は颯爽と帰ろうとする。