MY FIRST LOVER!!(短編)
素直な時間
え……??
『孝之……?』
孝之に抱きしめられているこの状況を理解するのに随分時間がかかった。
「……だから………ダメなんだって……」
『え…?』
耳元で聞こえる孝之の声は小さく、微かに震えていてはっきり聞こえない。
聞き直そうとする私に孝之はしっかりとした言葉で言った。
「…本気で好きだから…ダメなんだってば………」
本気で好き?
『孝之……』
孝之はそっと身体を離して、私を見つめた。
「俺が…他の女を相手しても、あずだけは抱かない理由は……あずを本気で好きだからだよ……」
本気で好きな女は抱かないって言っていた孝之の言葉を思いだす。
ねえ
私なの?本気で好きな女って。
本当に???
私は信じられなくて、何よりドキドキしていて
すぐ近くにある孝之の瞳をただ見つめ返していた。