MY FIRST LOVER!!(短編)
「今日……透に説教されたよ。」
『…透くんに…?』
孝之が小さく笑った表情は、今までの素っ気ない孝之とは全然違っていてなんだか懐かしかった。
「いい加減素直になれって言われた。じゃないと俺があずちゃんをもらうぞって……
俺…ずっとあずのことが好きで……だけど恥ずかくて透みたいに上手く接することができなくてさ……
透もあずのこと好きなんだって知ってたし…、なんか………ごまかすように…他の女と遊ぶようになって…」
孝之があり得ないくらいに素直に喋るのを見て、私は夢でも見ているのだろうかという気になった。
透くんは、きっと気づいてたんだね。
私と孝之が両思いだってことも、そのくせお互い何もできないままだったってことも。
孝之は切ない瞳で私を見て言った。
「もう………遅いかな…?
あずは………もう俺のこと好きじゃなくなった…?」
私は涙目になりながら大きく首を振った。