お兄ちゃん、すきだよ。
振りかえるとそこには、写真で見たことのある、望月さん。
そして、新しい、私のお兄ちゃん。
私は挨拶も忘れて、ふたりを見つめてしまった。
「やぁ、はじめまして。君が春乃ちゃんだね。」
「あ、はい!はじめまして!」
「話に聞いていた通りだ。お母さんに似て、可愛らしい子だね。」
望月さんの声は、とても優しかった。
写真で見て、思い描いていた通りの人。
「いやだわ、貴文さんたら。春乃、こちらが望月貴文さん。そしてこちらが息子さんの…」