お兄ちゃん、すきだよ。
夕日も落ち、だんだんと暗くなってきた帰り道。
私はたくさんの思い出を胸に、坂道を下る。
思い返せばいろいろなことがあった。
親友との衝突。
そして和解。
より一層、絆が深まった。
そして怜くんに対する気持ち。
たくさん助けてもらって、怜くんの存在がとても大きくなった。
怜くん、大好き。
私、怜くんのことをお兄ちゃんとして、受け入れられたのかな。
暖かい気持ちのまま、家に到着した。
玄関に入ると、お母さんとおじさんの靴がないことに気付いた。
ふたりでご飯にでも出かけているようだ。
電気はついているが物音のしない居間に入る。
すると居間のソファには、すうすうと寝息をたてて怜くんが眠っていた。