お兄ちゃん、すきだよ。
「きゃ…!ちょ、怜くん…!」
私は眠っている怜くんに、完全に抱き締められてしまった。
怜くんの、顔が近いよ。
私の心臓は、また爆発しそう。
眠っているのに怜くんの右腕はとてもきつく私を抱いている。
どうにか抜けなくちゃ。
渾身の力で、怜くんの右腕を上げた。
その、瞬間。
「うぅ…ん、春乃…。」
私の唇に、怜くんの柔らかい唇が重なった。
「ん…!」
まだ目を覚まさない怜くんは唇を少しずつ動かすので、そのたびに唇が触れる音がたつ。
私は頭が真っ白になり、抵抗するのさえ忘れていた。
うそ、今度こそ夢じゃない。
夢じゃない、本当の、怜くんとのキス。