お兄ちゃん、すきだよ。
「望月怜一朗です。はじめまして。」
綺麗な声。
整った顔立ち。
すらりと長い足。
さらさらの髪の毛。
そして何より、透き通った瞳。
この人が私のお兄ちゃん。
夏彦兄ちゃん以外の、お兄ちゃん…。
優しそうな彼に惹かれる気持ち、まだお兄ちゃんだと受け入れられない気持ち。
ふたつの思いが、胸をぎゅっと締め付けた。
いい人そうなのに。
新しい家族なのに。
受け入れきれない私って、とても子供なのかな。
どうしても、言葉が出なかった。