お兄ちゃん、すきだよ。



「ではHRを終わる!次の授業の準備はじめろ〜!」




桐丘先生の大きな声に、ギリギリのところで涙が引っ込んだ。




先生が教室を出る。


と、同時に駆け寄ってくる優。





「大丈夫だよ、春乃!私がついてる!」




優の叫び声が教室に響いた。


周りのみんなは訳もわからずポカンとしている。




「優、声でかいって…!」



「どんな困難なことがあっても、私がついてるから!自分の気持ちに素直でいてよ、春乃…。」




そう叫ぶ優の顔は、今にも泣き出しそうだ。





「優、なんで優が泣きそうに……っ…。」




我慢していた、涙がこぼれた。



< 121 / 195 >

この作品をシェア

pagetop