お兄ちゃん、すきだよ。
すると、彼はそっと微笑んで、私の頭をなでた。
「無理して兄だと思わなくていいよ。お兄ちゃんなんて呼ばなくていい。仲良くしようね、春乃ちゃん。」
私のもやもやした気持ちは、一気に吹っ飛んでいった。
この人、私の気持ちわかってくれたんだ。
何も言っていないのに、優しい人。
無理してお兄ちゃんだと思わなくてもいいからね。
仲の良い家庭を築いていこう。
そんな思いが、頭をなでる手のひらから伝わってくる。
「ありがとうございます。怜一朗くん。」
きっと大丈夫だね。
ねぇ、夏彦兄ちゃん。