お兄ちゃん、すきだよ。
優たちはきっと、気をつかってまた3人で遊ぼうと言うだろう。
だけど私もそこまで野暮じゃない。
どうにか予定を埋めなくちゃ…。
そんな憂鬱な気分になっていた夜。
怜くんから思わぬ誘いがあった。
「春乃、今年のクリスマス空いてる?」
「へっ…?空いてる、けど。」
怜くんは大学の友達と過ごすのだろう。
勝手にそう思い込んでいた私は、間抜けな声で返事をしてしまった。
もしかして、怜くんからデートのお誘い?
期待に、胸がふくらむ。
憂鬱だった気持ちは、一気に吹き飛んだ。