お兄ちゃん、すきだよ。
その後の食事会は、とても和やかなムードに包まれていた。
初対面なので多少ぎこちなかったが、みんなの会話も弾んだ。
そんな中で、時折みえてくる怜一朗くんの気づかい。
私は新しい兄を少しでも拒んでいたことに、後悔した。
そして同時に、心に決めた。
どんなに時間がかかってもいい。
いつかきっと、怜一朗くんのことをお兄ちゃんだと受け入れよう。
本当のお兄ちゃんのように慕おう。
思いやりのある家族になろう。
私の心の中の夏彦兄ちゃんが、笑ってくれた気がした。
こうして、初めての一家団らんの時間は過ぎていった。