お兄ちゃん、すきだよ。
優のいうオススメのカフェは、数ヵ月前にオープンしたばかりの小さなカフェで、裏路地にある隠れ家的な店らしい。
メルヘンチックで可愛らしい店内に、ピンクのエプロンをしたウエイトレスさんが歓迎してくれる。
いつか私も働きたいなぁ、と優は遠い目をしていた。
優があまりにもすすめてくるものだから、私の期待も一気に上がった。
甘いものに目がない私は、一日中そのカフェのことを考えて過ごしていた。
帰りのHRが終わり、放課後になる。
「寄り道すんじゃないぞー。」
という桐丘先生に、はぁいと元気よく返事をして、優とふたり教室を飛び出した。